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石畳は、素材の種類・サイズ・カラーはもちろん、敷き方を変えるだけでも大きく仕上りのイメージが変わります。
「必ずこの敷き方でなければいけない」という決まりもないため、自由にアレンジできるでしょう。
今回は、敷石の代表的な敷き方をいくつか紹介します。
イメージに合った演出をかなえるために、それぞれどんな敷き方でどういうイメージになるのかチェックしてみましょう。
正方形の石畳を並べ、市松模様型にするパターンです。
わざとサイズや切り方を乱雑にして少しズラしながら敷くことで、規則性がありつつも自然な雰囲気を演出しやすくなるでしょう。
また、ただ縦横に敷き詰めるだけでなく、サークル状に敷くことも可能です。
雰囲気が大分柔らかくなるため、併せて検討してみましょう。
市松模様型と似ていますが、正方形の石畳を半分ずつずらして敷くパターンです。
少し遊び心のある敷き方で、広さを一目で正確に測りづらくする効果があります。
そのため少し狭い玄関ポーチに採用して広く見せかけたり、幅が限定されている場所で破れ目型を使って圧迫感をなくしたりすることが可能です。
長方形の素材を半分ずつズラして敷くパターンです。
レンガのような風合いを出すだけでなく、馬車が通過した足跡のように交互になっているため、違和感なく歩きやすくなるでしょう。
一般家庭だけでなく寺院や観光地などでもよく目にするオーソドックスな敷き方であり、どんな家にも合いやすいのが特徴です。
馬踏み型の縦バージョンであり、縦に長い場所で使われることが多くあります。
家の門から玄関ポーチまで一直線に伸びていて曲線がない場合、縦張り千鳥目地型を採用することですらっとした直線を演出できます。
縦に長い壁に利用されることも多く、実際の長さよりすらっと伸びる凛々しい印象を与えられることが魅力です。
圧迫感をなくす効果もあるため、活用していきましょう。
きっちり正方形に切り取られた素材を、斜めにして敷き詰めるパターンです。
狭い場所でも広く見せる効果があるとされており、庭やアプローチなど一目につきやすい場所に導入することが多くあります。
フラットな素材と相性がよく、ベビーカーや車椅子などが通ったときにガタガタしないよう配慮したい場合にも有効です。
三角形・四角形・台形などランダムな形の素材を並べるパターンです。
芸術性とオリジナル性を高くしやすく、薄く平らな素材と相性がいいのが特徴です。
規則性のないタイルのような仕上がりにできるため、いつ見ても飽きない我が家を作りやすくなるでしょう。
長方形の素材を縦長に敷くパターンです。
アプローチや玄関前に使うことが多く、遠目からも進行方向が分かりやすくなります。
玄関まですらっと伸びる道を示したい場合に効果的であり、風の通りまで見えてきそうな透明感を演出できます。
同じサイズの石畳を縦・横均等に並べたパターンです。
芋貼り・通し目地と呼ばれることもあり、規則正しく伸びるイモの根のようにまっすぐ並べることが特徴だと言えるでしょう。
オーソドックスな並べ方ですが緻密な作業が必要であり、人工的な雰囲気を演出できます。
自然環境ではなかなか見ない形でもあるため、アーティスティックなご家庭やモダンな空気にしたいご家庭におすすめの方法です。
石同士のスキマを一切開けず、ぴったりくっつけて並べるパターンです。
「目地」と呼ばれる継ぎ目が目立たないため、柄の流れをつなげたり模様のように石畳を展開したりしやすくなるでしょう。
1枚の大きな石でできているような壮大な雰囲気を醸しやすく、見た目の美しさを重視できます。
ただし、割れや欠けなどが出た場合の入れ替えは難しくなります。
丈夫な素材を使うなど配慮し、生活に合わせた使い方をしていきましょう。
石畳と石畳の間をわざとバラバラに開け、ステップ(歩幅)に合わせて敷くパターンです。
通る人に歩く道を意識させ、動的な印象になります。
おしゃれな小道のある隠れ家のような雰囲気も演出しやすく、通る度にワクワク感を演出できます。
また、ステップ式であるため使用する石畳の量が少なく、安価に済ませやすいことが特徴です。
石畳の間は砂利や土で埋めるなどさまざまな方法があり、細かな調整ができることも魅力です。
長方形の石畳を斜めかつ交互に並べていくパターンです。
弓の弦に矢をつがえているような見た目に近く、矢の尾部分にあるV字が想像できることから「やはず張り型」と呼ばれるようになりました。
視線を分散させる効果があるため、石畳ではなく建物や植物に目を向けてほしいときに活用するとよいでしょう。
特に和風の建物で多く見られることが多く、均整の取れた凛々しい印象にまとまります。
長方形かつ同じサイズの石畳を使い、2枚1セットで縦・横交互に並べていくパターンです。
石畳はもちろんタイルや大理石とも相性がよく、お風呂の床や壁に使われることの多いデザインでもあります。
視線を1ヶ所に集中させないため、柔らかく落ち着いた雰囲気にまとめられます。
さらにダイナミックな演出をしたい場合、3枚1セットで並べる「三ツ目市松型」もあり、堂々たる佇まいにできます。
石畳を縦横交互に1枚ずつ並べていくパターンです。
しっかり石畳を組み合わせるためズレに強く、多少欠けや割れがあっても目立ちにくいことが魅力です。
一方向に視線を誘導できる効果もあり、長く伸びる玄関前のアプローチなどに有効だと言えるでしょう。
反対に広い庭のような場所では重ね網代型を使うことは少ないとされています。
実際に仮置きやシミュレーションをする際は石畳周りの環境も意識しながら実施し、調和を重視していくことがおすすめです。
石畳は、敷き方次第で大きく印象が変わります。
どんな仕上がりになるかの感覚を知るために、雑草やゴミを取り除いて整地してから実際の石畳を並べてみるのもよいでしょう。
見た目だけでなく歩きやすさなどにも配慮しながら決めていければ、より満足のいく石畳づくりができそうです。